2026年4月から、国家公務員の兼業規制が緩和された。
趣味や特技を活かした自営業(ハンドメイド販売・スポーツ教室・地域貢献活動など)が、条件付きで認められるようになった。
消防士は地方公務員なので今回の規制緩和の直接の対象ではないが、国がこうした方針を打ち出した以上、地方公務員にも同じ流れが来るのは時間の問題だと思っている。
私の意見をはっきり言う。大賛成だ。
でも同時に、18年間消防署で働いてきた人間として、正直に言わなければならないことが1つある。
なぜ大賛成なのか

消防士の給与は「安定している」と言われるが、正直なところ「頑張っても増えない」という上限が存在する。
どれだけ出動しても、どれだけ訓練に打ち込んでも、給与は年功序列で決まる。モチベーションを保つのが難しい構造だ。
そこに「副業で自分の努力が直接収入になる」という選択肢が加わるのは、消防士のやりがいと生活を同時に豊かにする可能性がある。
実際、私の同期や後輩の中には、消防士をしながらこっそりFXや株をやっていた人間が何人もいた。表立って話せないだけで、副業ニーズは消防署の中に確実にある。
解禁することで、こうした行動が「後ろめたいもの」でなくなるのは健全だと思う。
消防士に向いている副業
個人的に消防士に相性がいいと思う副業はこれだ。
- ブログ・SNS情報発信:消防の知識・経験は一般人には持てない情報資産
- 救命講習・防災教育の講師:資格と実績がそのまま使える
- ハンドメイド・クラフト系:職人気質の消防士に向いている
- スポーツ・フィットネス系インストラクター:体力・指導経験が活きる
ポイントは「消防士としての経験をそのまま活かせるもの」を選ぶことだ。消防士を18年やってきた経験は、民間では十分な差別化になる。
でも正直に言う。1つだけ心配なことがある

ここからは、少し耳が痛い話をする。
仕事中に副業する人が出てくる、と思っている。
消防士には「待機時間」がある。出動と出動の間、書類仕事や訓練以外の時間が一定数発生する。
以前からその時間をどう使うかは署によって温度差があった。真剣に勉強している人もいれば、スマホで動画を見ている人もいた。
副業が解禁されたとき、その「待機時間」にこっそり副業作業を進める人が出てくるのは、正直否定できない。
これは個人の問題だけでなく、「副業を持つ消防士が、これまでどおり本業に注力できるか」という問題にもつながる。
消防は一瞬の判断ミスが命取りになる仕事だ。
副業解禁は賛成。でも「仕事中は仕事に集中する」という当たり前のことが、きちんと守られる文化と制度設計がセットで必要だと思う。
まとめ
- 2026年4月から国家公務員の副業が一部解禁。消防士への波及も時間の問題
- 頑張りが報われない構造を持つ公務員にとって、副業解禁は選択肢が増える良い流れ
- ただし「仕事中に副業」というリスクへの対策が制度として必要
- 副業を検討するなら、消防士の経験を活かせるものが一番強い
消防士を辞めてブログを始めた私が言うのも何だが、「副業でスキルを磨きながら、いざとなったら転職する」という選択肢を持てる時代になりつつある。副業解禁は、消防士にとって「消防士のままでいるか、転職するか」の二択だった世界に、もう一つの道を作ってくれるかもしれない。

